将棋が完全に解析されるには、あと何年かかるか?
1. 将棋のゲーム木(局面数)
まず初めに、主なボードゲームで発生可能な局面の数を見ていきましょう。
チェス 10の120乗
将棋 10の220乗
囲碁 10の360乗
以上はだいぶ大雑把な計算ですが、途方もない数字であることがわかります。
時代は進み、奈良女子大学の篠田先生によって10の60〜69乗であると発表されました。
2. 将棋AIの性能
将棋AIが1秒間に解析できる局面(ノード)のことをNPS(ノード/秒)と言い、1秒間に100手読めるCPUであれば[100NPS]と表示されます。2023年5月時点での高性能PCであれば、100億〜400億NPS(10の10〜11乗)解析できると仮定すると、全ての局面を解析するに3×10の45乗年かかる計算になります。(計算苦手なので、あまりあてにしないで下さい???)
3. 将棋AIの完全解析に必要な要素
将棋の性質上、局面を一つずつ解析していては、何億年あっても解析できないでしょう。これは先述した篠田先生のレポートによると、計算上で、将棋のルール上では発生不可能な局面があるからと記載されています。
A同一局面を ! 度以上数えている(同種の駒を区別しているため)
B同じ枡に複数の駒がある
C行きところのない駒がある
D二歩である
E双方の玉が隣接している
F(先手番なのに)後手玉に王手がかかっている
G先手玉に実現不可能な王手がかかっている
Hその他の理由で初形から進み得ない配置となっている
将棋の完全解析には、将棋AIの性能向上のほかに、将棋のゲーム木の解析も重要な要素であると言えるでしょう。
4. 将棋AIの完全解析に必要な時間予想
ぶっちゃけ計算上では完全解析にかかる時間は、全く予想できないでの、AIのことはAIに聞いてみましょう。筆者はChatGPTに聞いてみることにしました。
将棋AIの進化は非常に速いため、将棋AIの完全解析に必要な要素が揃い、AIによる将棋の完全解析が実現するのは今後数十年から数百年のうちになると考えられます。将棋AIによる完全解析が実現した場合、将棋界における棋士の役割や将棋の楽しみ方、AIと人間の共存の可能性など、将棋界全体に大きな影響を与えることが予想されます。
まあ、ChatGPTは未来予想AIでも、計算に特化したAIでもないのですが、10年以内ではないし、1000年以上はかからない、というのは大きく間違ってはいないでしょう。
ここまで将棋が完全解析される未来を予想してきましたが、途方もなく複雑で、膨大な計算を処理した末に、数十年はかかるというのが大多数の意見でしょう。たとえ完全解析されても将棋の奥深さ・魅力は変わらず、人々を楽しませてくれるはずです。