AI技術の発展が将棋界に与える影響や将棋界の変化について

1. AI技術が将棋界に与える影響

AIによる棋譜解析によって、プロ棋士の戦法選択は確実に狭まったと言えるでしょう。具体的には相居飛車の相掛かり・角換わりが、顕著に多くなりました。


AIによる将棋の解説や指導は可能でしょうか?今のところ将棋AIは圧倒的な計算量で、強さだけを追い求めている傾向にあり、初心者やライトユーザーへの解説・指導には適さないのが現状です。

しかし、アマチュアトップレベルであれば将棋AIの解析結果を、自身の対局に取り入れて実力を上げる事が、既に実証化されています。初心者向けの将棋AIが開発される未来も、そう遠くはないでしょう。

 

2. 将棋界の変化

 

将棋を指すAIが人間を超えて早数年、将棋ファンの人口は増えたでしょうか?

 

プロ棋士vs将棋AIの戦いは、将棋の魅力を再認識するきっかけになったでしょう。どんな相手にも真剣に対局するプロ棋士の姿は、将棋ファンの心をつかみ、新たな将棋の魅力発見に繋がったと考えられます。

 

しかし、将棋AIが人間を超えたことで、AIの解析結果のみにフォーカスしてしまい、将棋の奥深さや戦略性を理解する機会が減ってしまう可能性もあります。

 

総合的に考えると、将棋AIの発展によって、将棋を指す人が増えるかどうかは複雑な問題であり、結果は予測できません。

 

3. 将棋界が直面する課題


将棋AIの出現により、指し手の予測が可能になるため、その対策が必要になります。(いわゆるカンニング対策)


将棋AIによる解析の活用が進むことで、戦法が一局化され、オリジナリティが失われることが懸念されます。

 

4. 将棋界が取り組むべき課題と今後の展望


歴史的に見てテクノロジーの進化は止められないことが確約されています。一時は鎬を削っていた将棋AIは、今後対決するのではなく、共存の方向に進んでいく必要があるでしょう。

 

また、プロ棋士を中心とした将棋界は、将棋の強さだけでなく、将棋の奥深さ・魅力を伝えることにより、将棋をプレイする人・将棋を観る人の拡大を図ることが求められるでしょう。